カメヤ鍼灸舎 のびのび
浜松にある ハリ・灸・手技療術の 東洋医学の治療所です

鍼灸と本

本を買うのが好きです。本を買うのは数寄です。
本は買うことに意味がある(半笑)、とおっしゃっていた先生もいました。
鍼灸を学ぶ際、明確な徒弟制度の中にいない僕はいろんな本が師となります。
そんな一部を、記すことにします。

松岡『花鳥風月の科学』松岡正剛著
はじめから鍼灸とは関係のない本ですが。知の巨人、松岡氏の著作のなかでも群を抜いて好きな本。日本的なモノコトがわかってきます。日本的情緒を「科学」的に解釈してくれます。

木に学べ『木に学べ』西岡常一著
ある師匠に薦められた1冊。宮大工さんの心意気、気合いを感じられます。ある意味、どんな鍼灸本より治療に役立つのかもと思います。僕はこれを読んでから法隆寺に行って、雨の中で塔を眺めました。

療術『癒しを生きた人々』
その昔、日本で「療術」というものがブームになったことがあったそうです。そのアーカイブものがこれです。治療術と武術、そして宗教というものは、いつの時代でも結びつきやすいものです。というのは、カラダとココロと「コインの裏表」のように切り離せない関係にあるからなのです。ゆえに、その点においてどんな治療術も「あやうい」側面を持っているのだと思うのです。

霊学『霊学講座』松本道別著
これも「療術」関係の1冊です。あのハンドヒーリングだとか、あの整体だとか、「療術」系のネタ元がここにあるのかもしれません。タネのない手品がないのと同様、いろんな「療術」にもそれがあります。

葛洪『抱朴子』葛洪著
東洋医学に「治未病」という言葉あります。大きな病気になる前に養生するという考えです。昔から人は不老不死を夢みていたようで、この本には仙人になる方法が書かれていると知り、僕はたまたま京都の寺町通りにある古本屋で見つけました。1800円でした。仙人は山に入って丹薬を飲んで、みたいなイメージがあるのですが、『老子』にも「小隠は山野に隠れ、大隠は市井に隠れる」とおり本当の仙人は市井にいらっしゃるのかもしれません。僕も何人か知ってますが。(笑)

湯浅『「気」とは何か』湯浅泰雄著
「気」についていろいろ云われる先生がおられます。目に見えるモノと目に見えないモノがある、ということは確かにそう思います。しかし目に見えないモノについて、いかにも不思議ぶったり、あるいはわかったフリをするのはいかがものか、と思います。「気」というモノについて学者さんの視点で書かれています。

三木『ヒトのからだ』三木成夫著
解剖学がとても好きになってきた頃、この本と出会いました。なんというか、理系のなかの文系でもいったらいいのか、お話のなかになにかしらロマンを感じます。動物的機能、植物的機能、にわける考えはとても腑に落ちました。

kajita『入門病理学』梶田昭著
この先生のお話もロマンを感じさせてくれます。書かれている文章がおもしろいのです。「炎症」について語っているくだりなんて、とてもわかりやすく、わかったような気にさせてくれます。生前の講義を拝聴したかったと思っています。結合織の大切さをこの本で知りました。

nou『進化しすぎた脳』池谷 裕二著
大脳生理学というと難しく聞こえてしまいますが、それを高校生に向けてわかりやすく講義したお話なのです。最近の脳トレとか脳ブーム(?)に踊らされている皆さんに、ぜひ読んだらいいんじゃん、とお薦めの1冊なのです。

hifu『第三の脳』傳田光洋著
著者は某大手化粧品メーカーの研究者なのだそうです。皮膚を外胚葉由来、つまり神経、脳と同じ仲間だと考え、受容器としての役割を語ってくれています。皮膚を刺激する刺さない鍼、接触鍼やてい鍼、あるいは超浅鍼のヒントになるかもしれないと思います。

hone『小さな骨の動物園』
鍼灸師の友人の高校時代の先生が著者の1人だそうです。彼女に紹介してもらった本です。この仕事をするようになって人のカラダだけではなくって、いろんな動物のカラダに興味が出てきました。自分以外の生き物に対して興味を持つ、ということは大切なことなんじゃないかな。

netta『ネッター解剖学図譜』
表題にもある通り、この本に載っている解剖図はネッター先生という外国のお医者さんの先生が絵筆で描いたものです。解剖の本のなかでも絵が美しく、しかもわかりやすいのです。ときに絵は写真よりもリアルに感じさせてくれます。

以上、勝手な感想を書かせていただいております。
が、「鍼灸と本2」に続きます。