老人の力!
老人の力、というと今では逆に「老人力」を連想してしまいがちなのですが。「老人力」といったのは赤瀬川原平氏。高齢化社会が進む中で、老人への新しい視点を提供した(「老人力」という言葉は、もともと藤森照信氏が還暦を過ぎた赤瀬川氏に対して使った言葉であった)。「物を忘れるようになってきたということを『老人力がついてきた』というふうに言いかえようという、要するにシャレなんです」と氏も言っている。
あ、話がそれてきた。
店長は最近、この老人の力を感じたことがらが二つあった。一つは、『胡同(フートン)の理髪師』という映画。93歳の理髪師、チンおじいさんの姿。
もうひとつは、白髪のドラマー新井田耕造氏のこと。(新井田さんはそんなに歳じゃないんだけど、その白髪っぷりに紅いチャンチャンコを着てもいいんじゃないかと我が目を疑った)往年のRCサクセションのドラマーである。先日の忌野清志郎完全復活祭武道館での氏のドラムに感激した。力が抜けているのにスネアのヌケがいい。なんであんな音がいまでも出せるのだろう。
軸が安定している。無駄なモノを削ぎ落とした動き。武道の極意にも通じる。それを二人の老人から教えてもらった僕でした。(注:新井田耕造氏はけっして老人ではありません。笑)
毎日 コツコツまじめに同じことを何十年もやり続けてきた人だけが、到達できる世界があるのだなあ。
2008年02月12日 店長の「鍼灸と老人問題」