カメヤ鍼灸舎 のびのび
浜松にある ハリ・灸・手技療術の 東洋医学の治療所です

死んでるからだ

090210_10500002-01-53-29.jpg祖母が93歳で亡くなった。
お葬式は自宅でやった。
徳のないオッサマ(お寺の住職)がごねたが、
自宅でやることにした。
泣かないと思っていた自分が、
それでもウッとくる瞬間があった。

お通夜の前にユカンをしている時だった。

ウチの田舎では、
ユカンをする人たちは一本の藁を左前にかける。
意味を尋ねたら、それは僧侶の見立てであり
左前は常とは違う、ということを表しているそうだ。

「湯灌」といっても形式だけで、
アルコールの浸ったバカでかい綿花で遺体を拭いていくのだ。
そして白い手甲脚絆を着けたり、六文銭の頭陀袋をかけたり、
つまり死装束にするのだ。

僕は手甲を着けていたのだが、
ドライアイスで遺体がカチンコチンになっているので、
着けにくい。
脚絆を着けていた周りの人たちもやりにくそうにしている。

中指に紐を通そうとするのだけど、なかなか通らない。
通らないな、と思っていたその時、
なにかグッとくるものがあった。
たぶん、原始感覚みたいなものだと思う。

おそらく最近は自分が、
生きているカラダを触る機会が多くなったから、だと思う。

指としては、当然、生体を触っているつもりで、
実は屍体を触っているという事実。
その感覚の「サ」に戸惑ったのだと思う。
ああ、祖母は死んでいるんだ、と思った。

090210_10500001.jpg死んでいるカラダを触っても
ツボは何も応えてはくれなかったのだ。

2009年03月05日 店長の「鍼灸と老人問題」

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