カメヤ鍼灸舎 のびのび
浜松にある ハリ・灸・手技療術の 東洋医学の治療所です

背中のはなし

hammer_banner_01.jpg背は口ほどにモノを云う、
なんて言葉があるかどうかは知らないけど、
ああ、背中が表現してるな
と感じた絵を、秋の上野で見つけました。

背中の表現というと
健さんの『昭和残侠伝』の唐獅子牡丹の歌
「背中(せな)で泣いてる 唐獅子牡丹♪」
の男の背中を、思い出してしまいますが。
その絵に書かれていたのは女性の背中でした。

デンマークの画家、
ヴィルヘルム・ハンマースホイの作品。
その画家の妻を描いた「休息」という絵です。
展示されているなかで、何点かこちらに
背中を向けた絵があったのですが
とくに興味を魅かれたは、この絵でした。

詳しくは美術のクリティークに譲りますが、
よくみると、第七頸椎、ツボでいうと「大椎」の辺りが
静かに何かを表現しているような印象を受けます。

ところで、「大椎」というのは
東洋医学的にはメジャーなツボの一つなのです。
たとえば風邪のひき始め、『傷寒論』でいうところの
太陽病のときにつかいます。
風邪は、背中から入ってきて悪さを起こすと考えるので、
ひき始めは「大椎」のまわりを
とにかく温めて緊張を緩めることが大事です。
有名な葛根湯という薬は、その役割をします。
僕らは鍼灸師なので、「大椎」にお灸をすえたりするのです。

つぎに解剖学から云っても背中の「大椎」は
上肢の動きの中心になるところではないでしょうか。
「大椎」は第七頸椎と第一胸椎の間に在ります。
首を前に傾けるとポコッと出る骨の下です。
第一胸椎は、第一肋骨とジャンクションしていて、
第一肋骨は、カラダの前側で胸骨とジャンクション、
その胸骨は鎖骨とジャンクション、
鎖骨が肩甲骨とジャンクション、
あとは、腕、手の末端へといきます。
(交通情報みたいです、ジャンクション。笑)

なにを言いたいかというと、
上半身の動きの要って僕が思っているってことなんです。
動きの表現というのは、解剖学的に考えれば
それぞれの関節の”順列組み合わせ”からなっていると思うのです。
で、上半身の中心軸に最も近い場所は、
前では胸骨鎖骨の関節であり、
後ろにいくと「大椎」になると思うのです。

話をもどします。

背中が表現する。
つまり「大椎」が表現している絵、
とてもいいと思いました。

上野の山、
ル・コルビュジエの国立西洋美術館で
「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」での出来事です。
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2008年10月15日 店長の目利き自慢

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