カメヤ鍼灸舎 のびのび
浜松にある ハリ・灸・手技療術の 東洋医学の治療所です

美顔鍼と小指の想い出

images.jpeg最近、知人の奥さんに
「美顔鍼って、最近雑誌で紹介されたりしてるし。
流行ってるんでしょ?」とたずねられた。
彼女はキレイな人だ。そんなキレイな彼女でも
「美しくなりたい欲望」は尽きることがないみたいだ。

美顔鍼といっても顔に鍼を刺すだけで、キレイになると思ったら
間違い、間違いだと思います。
ホントはお腹をととのえるとか、
骨盤まわりを診るとか、
脚の内側をいじくるとか。
まず排泄機能(今流行の「デトックス」ですね)を調えて
老廃物の出口をつくってあげて、とか。
いろいろな考えがあります。

陥りやすいポイントは、顔は変化しやすいので
エ◯テなど行くと、目に見えてお顔がキレイになります。
すぐに結果が出ると嬉しいので、ハマります。

なぜ変化しやすいかというと、カラダの循環から申し上げると
顔は、手や足の指と同じように「末端」だからなのです。
末端は老廃物が滞りやすい場所で、
逆に言うと渋滞を解消してあげることで大きく変化するのです。

まあまあ理屈をこねていろいろ説明をしてみたけど、
女は面倒くさい男が嫌!
結果がすべてです。
それで、リクエストに応えて彼女に美顔鍼をすることになりました。

と言っても顔だけでなくって、もちろん手足のツボにも鍼を刺すので
彼女の腕を触りました。

右手だったと思います。

薬指に触れるといきなり伸筋がピンと張りました。
五本の指の先まで、すごくピンと張ってなかなか元に戻りません。
「力、入れてます?」
もしからしたら、自分の手の触れ方が悪いのかもしれないと思いました。
「ううん、入れてない」
よく見ると、彼女の右手の小指の先は欠けていました。

「子供の頃からだから。それで隠そうと思って
無意識に反応しちゃってるのかもね」
彼女は自分でそう分析しました。「それで右のほうの肩が凝るのね」

木が年輪を刻むように、私たちのカラダも時を刻んでゆきます。
良いことも悪いことも、同じように刻んでゆきます。

たとえば歌舞伎や文楽の台本の題材には、カラダの刻印がよく使われます。
『桜姫東文書』の握ったままの手とか、
『夏祭浪花鑑』の団七の額の唐辛子のような傷とか。
唐十郎の『ジャガーの眼』なんていうお芝居もありましたっけ。

カラダに刻まれた印の裏側には、
ココロの物語があるのだと思いました。

彼女の「小指の想い出」については、聞きませんでした。
指に触れた瞬間の反応で自分が感じたことが、
すべてのような気がしたからです。

2008年08月06日 鍼灸について

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