カメヤ鍼灸舎 のびのび
浜松にある ハリ・灸・手技療術の 東洋医学の治療所です

雑記「怪談、高野聖、魑魅魍魎」

c33e9fbf61459d6a59f055f8fca631bd.jpg「そういう時、私ら、出たぁ!って言うんですよ」
外苑西通りが青山墓地にさしかかったところで、
タクシードライバーが僕に教えてくれた。
「それって業界用語スか?(小笑)」
「そうだね。業界用語だね。(ホントかよ!?)
ほら滅多に出ないでしょ?
だから(そういう客を幽霊に見立てて)、
出たぁ!って言うんですよ。
東京→名古屋とか、東京→仙台とか。大阪まで往復とか。42万。
ま、滅多に出ないけどね。
なんか、現金とか、貴金属とか、アブナイの運んでんじゃないの、知らんけど。
まあ夏だから、そろそろ出るかもねぇ」

キャー!幽霊の話かと思ったら笑い話だった。

泉鏡花の『高野聖』を玉三郎&海老蔵が
七月歌舞伎座で上演しているので観に行った。
(ふたりの入浴シーンは必見でしたわ)
鏡花の小説には、魑魅魍魎、妖怪、幽霊、がふつうに出てくる。
そのころの日本には、そんなんが普通にいたのかもしれない。

昨今の通り魔事件等で、心の「闇」の話は巷で語られているけど、
夜の「闇」は人間たちの住む社会からは、かき消されている。
隠れるべき「闇」がなければ、魑魅魍魎たちは存在できない。
♪闇にィ 隠れて生きるぅ オレたちゃ ヨーカイニーンゲン なのさぁ

そんでもって『高野聖』の玉三郎の役どころの「お嬢」は、
今でいうとこのヒーラー、療術家。
「かの嬢さまの柔らかな手のひらが触れるだけで、
病人の痛みが消えたことが発端。まさに神の手じゃ」だと。
舞台は飛騨の山奥のお話。
昔は山奥にそんな特殊な人もいたと、聞いたこともある。
新月の夜に山を裸足で駈け回るのだそうだ。

隠れるべき「闇」がなくなった今、
魑魅魍魎たちはどこへ行ったのだろう?

でも今は魑魅魍魎たちよりも人間の方がコワいと思う。
人間がいちばんコワい。

闇の夜は吉原ばかり月夜かな(基角)

2008年07月26日 芝居について

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